企画趣旨 - ぬくもりを届けよう -工房からの風から-

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企画趣旨

東日本大震災により被災された皆さまとそのご家族の方々に対しまして、
心よりお見舞い申し上げます。

 

今回、『ぬくもりを届けよう ニッケ+工房からの風から』の企画趣旨をお伝えいたします。

 

ニッケコルトンプラザで毎年開催している『工房からの風』では、
今年の出展者の中に被害に遭われた作家の方がいらっしゃいました。
避難、移転の日々の中、どんなに出展を迷われたことでしょう。
けれど震災から一カ月ほど経ったある日、1通のメールが届きました。

「…『工房からの風』に出展させてください。
まだ何の作品も出来ていないのにこのようなことを言うのは申し訳なく思うのですが、
秋の日の『工房からの風』を私の『前にあるもの』としたいのです…」

というメッセージが、私たちに熱く届きました。
『工房からの風』という場がひとりの被災された方にとって前にある光だということ。

この展覧会を続けてきて本当によかった、心からそう思いました。
その後、過去出展者の中で、積極的に支援活動を行っている作家の方々とお話しをする機会も得ました。
また、今年の出展者の多くの方が、ものづくりとして自分たちにも何かできないだろうかと
模索し続けていることが、個々の会話の中から伝わってきました。
同じ想いを抱く企画者として、『工房からの風』という多数の心ある方が集う場で、
力を合わせて何かをしよう、そう思わずにはいられませんでした。

 

『工房からの風』は、全国から公募によって選ばれた工芸作家50人が集う、野外クラフト展覧会です。
陶磁・ガラス・染織・木工・金工・紙…といった自然の恵みと人の手の技、
そして作り手の感性が響き合った手仕事の品、工芸品、生活具を生み出す人たちが、
その作りだしたものとともに、秋の日の二日間に集う会です。

 

そしてこの展覧会を企画している企業はニッケです。
会場となるニッケコルトンプラザは、戦前より毛織物を生産する場としてここにあって、
『工房からの風』の会場内には当時からの神宮社(現おりひめ神社)が今も建ち、
その傍らには「手仕事の庭」と名付けられた庭園で、藍や棉、
和紙の原料となる植物や多種のハーブを地域の方々とともに育成しています。
その実りをワークショップなどを通じて、多くの方々と共有してきたことが、
『工房からの風』のベースとなっています。
『人と地球にやさしくあったかい』を掲げる企業として、自然の恵みと人の手と心の響き合う空間を残し、
育んできた中から、『工房からの風』が継続されてきました。

 

このような背景の中で、『ぬくもりを届けよう ニッケ+工房からの風から』は企画されました。
企業と工芸作家が同じものづくりの気持ちを持ちながら、まず出来ることを始めよう。
『工房からの風』という時と場を活かして始まったこの支援企画ですが、
実行する中で出会うさまざまな方たちの想いと力によって、
少しでも被災地の方々の『前にあるもの』になれれば、と願います。
皆さまのご協力を心よりお願い申し上げます。

 

 

日本毛織株式会社SC事業部長

清水泉

                                 工房からの風director

稲垣早苗